先週末、グリーンウッドワーク協会会員有志による椅子の試作が行われました。
前半の椅子作りの模様は、小野さんが協会ブログに書かれています。
プロローグ組み立てそしてここから後半の模様とその感想をわたくし加藤が書かせて頂きます。
-------------------------------------------------------------------
��日目は7割がた出来上がった椅子を組むところから始まりました。
角度のついた穴を12個あける所からスタートです。

同じ長さの前面に対し、絞られた後足に同じ角度で穴をあける、一見シンプルな穴のあけ方ですが、出来上がりはちょっと複雑な角度を持った形になります。微妙にひねりながら繋がっていく感じです。2Dの図面には起こせませんでしたが、やってみると意外と簡単(^^;実際に作ってみないとわかりません。

それを、4人がかりで組み立て!
今回、ホゾが若干きつめだったので、組立には苦労しました。もう少し緩めに作らないといけないという反省点でした。
でも、4人がかりで一つの椅子に取り組む姿は感動すら覚えます。

出来上がった椅子の枠に、座面を編んでいきます。今回は、イ草ロープを使いましたが、本場スペインではラッシュ(蒲の葉)を編みこみます。座編みの方法もいろいろあり勉強になります。
そして完成!見てください、このヨロコビの表情!!

皆さんの表情が、この椅子の素晴らしさを伝えているのではないかと思います。
注)一つの椅子に、みんなで座っています(^^)
午後3時には終わって全員で、できた椅子を眺めながらのティータイム。完成後の至福のひと時です。

��日間、約10人で2脚出来上がりました。実際の職人さんは。45分で1脚を削って組み立てたそうので、それにはとうてい及びませんでしたが、はじめてにしてはそこそこ早く仕上がったのではないかと思います。慣れれば、もうちょっと早く作れそうですので。
この椅子、「ゴッホの椅子」の通称で有名ですが、スペイン・ヨーロッパ辺りでは普通の木の椅子だったようです。普通の椅子だからこそゴッホが描き、それが後に日本で有名になった。数奇なものです。
��0年前、木工家の黒田辰秋さんがこの椅子の制作工程を目の当たりにした感激を雑誌「民藝」に寄稿されています、「スペインの白椅子」と。ポプラで作られたこの簡素な椅子の出来たては本当に白く美しかったに違いありません。今回、その感動の一端を味わえたことはとてもいい経験になりました。
かつて盛んに行われていた生木をつかった木工がなぜ現代では忘れ去られてしまったのか、それをを考えるのにも非常に良い課題です。さらに学び、この椅子をちゃんと作れるようになりたいと思います。