2017年7月21日金曜日

ヨーロッパの木の玩具展とライフェンドレーエンの実演みてきました。

目黒区美術館で行われました、ライフェンドレーエン(Reifendrehen)という技法の実演を見てきました。
あえて日本語で説明すると、木工ロクロで木の輪の断面を動物の形に削り出しそれを割って大量生産する技術、と書いてもチンプンカンプンだと思いますので、まずはこちらの朝日新聞さんの動画をご覧ください。

ドイツのザイフェンの地域で行われているそうで、確かに他では見たことありません。
一つの輪から、60個の動物の原型がとれ、熟練した職人さんなら1日1500個の原型を作れるそうです。
たしかに、実演中の1時間そこそこで2個の輪をらくらく完成させていました。
1800年ごろこの技術が開発され、他の玩具産地を価格で圧倒し玩具の一大産地になったそうです。

材は、木目のつんだ生木のトウヒ。かつてはその地域に豊富にあった材料ですが、今は隣国まで出かけて行って確保しているそうです。
寒い時期に伐採し、生木のまま地下室に保管して1年間かけて使うようです。日本だとそんなことしたら梅雨時にカビますが、寒い地域なら大丈夫なのでしょう。

お客さんは家族連れが多かったです。実演時には刃物を使い分け切屑をピューと飛ばしながら削る姿に、歓声が上がって。木工旋盤の意外なエンターテインメント性を感じました。

また、このロクロはモーター以外、職人さんの手づくりだそうで良くできています。日本の和式ロクロに似た感じ。刃物台の固定の仕方が、独特で興味ぶかかったです。
また、写真の右端にチラッと映っていますが、グラインダーもついていて、駆動の紐をかけ替えると刃物も研げる優れもの。この仕組みはグリーンウッドワークで使う足踏みろくろにも応用できそうな予感がしました。

木工旋盤好きとしては、もっといろいろ聞きたかったのですが、他のお客さんの手前自制していましたが、最後人もまばらになったので、チョイチョイ聞いていたら、特別にDVDを頂きました。たまにはしつこく聞くのも大事ですね。
帰ってから見たらドイツのテレビ局が制作した仕事紹介のドキュメント番組でした。

このロクロで原型を作った後は一つひとつ手作業で削り、塗って動物に仕上げていく工程になります。なので、いくら早く原型ができても手間がかかるので大量生産といっても限りがあります。

ほぼロクロの話しか書いていませんが、メインの催し「ヨーロッパの木の玩具展」も非常に面白く、12時に会場に着いて17:30までいたのですが、全然飽きませんでした。その間90分の実演を2回見ましたが。^^;
会期は9/3日までだそうなので、おススメです。