2017年2月21日火曜日

ゴッホの椅子製作中

先日、東濃ヒノキの丸太を仕入れました。今まで仕入れた中で最高の丸太でした。
願わくば、裏山から伐り出した材で、、といきたいですが、そのうち。 

割れないようにボンドを塗って養生します。ひと手間ですが、これで随分材料が無駄にならなくなります。

ボンドを塗るのはシリコン刷毛がおススメ、乾いたらキレイにはがれます。 
もう少し塗りやすいと言うことなしですが、そのうち改良されるでしょう。



先週末に木取り。

工房が散らかっているのでちょっとぼかして、、整理整頓は大事です(^^;

良材は歩留まりが良い、残材がいつもの半分くらい。仕事が楽です。

木も人も素質って色々影響があるなとつくづく思います。素直な材は、すんなり仕事が決まる。節があったり曲がった材は、削るのも時間かかるし、出来上がったものは個性的な仕上がりだし。どちらが良いとは言えませんが、いろいろ楽なのはやっぱり素直な材だなと、、余談です。

さて、頑張って削りますか。



2017年1月21日土曜日

減量中

胸騒ぎがして朝早くに目が覚めました、そうだ、今日は休日出勤だ(^^;)

最初に勤めた造園会社は、祝日は無く、土曜出勤は当たり前でした。他を知らなかったのでそんなに苦ではなかったですが、週休二日に慣れてしまうとこうなりますね。

メールで一仕事片づけて、減量中の計量。
貫の乾燥の事ですが。


1週間で125gから順調に減って84g、だいたい乾いたかなといったところ。

丸ホゾもいい感じに楕円になっています。


乾燥には、除湿器を使っています。
気温が低いと温度が上がりませんが、水が目に見えて溜まっていくので家ではこちらを使っています。

来週、椅子に組立てる予定です。

2017年1月16日月曜日

「ゴッホとゴーギャン展」とゴッホの椅子

愛知県美術館で開催されている、「ゴッホとゴーギャン展」に行っていました。

子連れではなかなかゆっくり見れませんが、山形さんが作ったゴッホの椅子にも座ってみました。嬉しいです。

じつは展示期間中に地下2階のナディッフ愛知さんで、私の作るゴッホの椅子も販売されています。近くにお寄りの際は立ち寄ってみてください。
私が休日にヒノキとイグサでセッセとこしらえたゴッホの椅子をお買い上げいただけます。

販売期間を過ぎますと、頼まれてもなかなか作りませんのであしからず。

2016年6月29日水曜日

ゴッホの椅子 本と映像


『ゴッホの椅子〜人間国宝・黒田辰秋が愛した椅子。その魅力や歴史、作り方に迫る』
著者 久津輪 雅(岐阜県立森林文化アカデミー准教授)
出版社 誠文堂新光社
価格 2300円(税別)

ゴッホの椅子の本が発売されました。
私も、図面や制作解説でお手伝いと実演をさせて頂きました。

今月の初めに、木工家ウィークの企画として出版記念のイベントも行いました。

事後報告になってしまったことを後悔しています。
でも前を向いて進んでいきたいとの固い決意でこのブログを書いています。

幸運なことに、明日から東京のモノ・モノさんで企画展が行われます。
「名古屋の展示、行けなかった~」という方、ぜひどうぞ。



出版に関連して、約40年前の椅子づくりの模様を収めた映像も公開されました。
フェイスブック等ではお知らせしていますが、使っていない方も見えるようにこちらに貼っておきます。

一つ目は以前から公開されていたのですが、1979年にスペイン・グアディスで撮影された映像。椅子づくりは11分頃から始まります。


個人的には、ハイスピードな穴あけに驚きました。あのドリル(スプーンビット?)が欲しい、、そんな物欲にかられてしまいます。

二つ目は、1967年にあの黒田辰秋さんがスペイン・グラナダ郊外で撮影した「ゴッホの椅子」づくりの映像。


くわえ煙草で椅子を作るおじさんが渋いです。ザクザクと椅子の部材を削る刃物が便利そうでこれまた欲しくなります。

二つの映像を見ながら『ゴッホの椅子〜人間国宝・黒田辰秋が愛した椅子。その魅力や歴史、作り方に迫る』を読むと、この椅子の魅力がより深く理解できるような気がします。

乾いた空気の中での自由で陽気な椅子づくり。いつか訪れて現地で椅子づくり、、そんな思いが膨らみます。


2016年3月23日水曜日

有道杓子 Utoh-Shakushi

岐阜に有道杓子(うとうしゃくし)と呼ばれる木のオタマがあります。朴の生木から作るこの木杓子、かなり前から気になっていたのですが、先週の月曜日ようやく製作現場を訪ねることができました。

今回、奥井木工舎の奥井さんに、シーズン真っ只中の忙しいなか無理をお願いして製作工程を一通り教えて頂きました。

はじめに見せてもらった、蔵から出てきたという古い杓子、作り続けられる中で無駄が削ぎ落とされた形、凄いです。

農閑期の副業だったといわれていますが、文献によれば11月から翌年の4月まで、約半年間作られたそうなので、生活の為にしっかり作られていた印象です。
匙面の鮮やかな削り跡が、有道杓子の特徴的なデザインになっていることに、はじめて気づきました。

杓子話でひとしきり盛り上がった後、教わりながら1本作らせてもらいました。



詳しくはまた別の時にしっかり伝えたいと思いますが、かなり奥深いです。とても1日で何とかなるようなものではありません。
研究課題が一つ増えました。今後の展開も楽しみです。

奥井さんの杓子は、購入できるそうです、が1シーズンで作れる本数は限りがあるそうなので欲しい方はお早めに。

オマケ
座らせてもらった座布団も杓子柄(^^)
個人的にはTシャツも欲しいです。

2016年2月13日土曜日

新しいラダーバックチェア


全6回、10日間に及ぶグリーンウッドワーク指導者養成講座が無事に終了しました。
何はともあれ、良かったです。

最終講座の椅子づくりの模様は、こちらや、こちらにも紹介されています。

ここでは、新しく設計した椅子の苦労話を書いておきたい思います。

今回の椅子は、久津輪さんに基本的な形をスケッチしてもらい、私が図面に起こして作り方を考えるという分担で行いました。
自分で形まで考えると、作り易い形になり過ぎたり、変なところに凝り過ぎるきらいあるのでこの分担は良かったのではと思います(^^;

アメリカのドリュー・ランズナーさんに教えてもらったラダーバックチェアをベースに、テノンカッターでのホゾ取りでクランプによる接着剤なしの組立は、イギリスのマイク・アボット師匠直伝の方法を継承しつつ、直径10センチ程度の小径木でも作りやすいよう、背板の幅を狭くして、モダンで軽やかに見えるようイタリアのジオ・ポンティさんのスーパーレッジェーラのフォルムを参考にしたり、スペインのゴッホの椅子のような削り跡を残す仕上がりにしたりと、いろんな椅子の要素を取り入れました。

材料のエゴノキは、和傘の「ろくろ」と呼ばれる材料に使われている木です。その中で、太すぎて使えなかったものを利用するというのもこの椅子の大切な部分だと思います。

形のポイントとして、後足と背板のカーブがあります。エゴノキを使ってみてわかったのですが、この木はとても蒸曲げに向いていました。裂けたり、シワが寄ったりすることなくすべてキレイに曲がってくれました。
太い丸太が手に入りにくくなる中、今まで利用されてこなかった雑木と呼ばれている材の可能性を見つけていくことも重要かと思います。

設計には3DCADを使用、2次元の図面で作れないことはないのですが、それだと実際に作ってみないと材料の長さや角度を求めることがで来ません。
短い期間でここまで形できたのは3次元CADのおかげだと思います。それでも試作は3脚ほど作りましたので。



しかし背板の接合部分の加工方法は1週間ほどうなされました。設計図通りにできてもかなり複雑な角度なのに、実際には蒸曲げの、曲げ戻りや、作る人によって微妙に違う脚の太さ、などなどの誤差が出てきて、「ウキィ~~」となります。
※上の三角をクリックすると、3Dの椅子がマウスでグリグリ動かせます。背板の微妙な角度をご確認ください。

最終的には、ウインザーチェアのスピンドルを通す穴あけと同じように「現物合わせ」という力技的方法に落ち着いたのですが、うまくいってホントに良かったです。

やってみて思ったのが、椅子の設計ってホントに大変です。
人が座る家具なので、座り心地という数字には出にくい部分を反映させないといけません。
「座面を1センチ下げて」とかなると、貫の長さ、接合の角度がすべて変わってきます。ちょっといじると全体に影響が出るんですね、勉強になりました。

まだ作る上で、少し複雑な部分がありますのでもう少し改良して次回の椅子づくりに備えたいと思います。

2016年1月13日水曜日

遅ればせながら、今年もよろしくお願いします。



ブログの投稿方法を忘れないようにしないと、、、(^^;
すでにホームページの更新方法は定かではありません。

更新してませんが、元気に木工しております。相変わらずなかなか寝付かない息子との格闘の日々です。

森林文化アカデミーでのグリーンウッドワーク指導者養成講座も、いよいよ最終の「椅子づくり」を迎えました。5日間かけて、生木で椅子を作ります。

先週末の3連休は、丸太から椅子の部材を削りだしました。
ハードな3日間でしたが、参加者の皆さんのおかげで何とか乗り切りました。

来月はじめに後半戦。またしばらく準備が続きます。

詳細は、またいつの日にか、、、