2009年5月16日土曜日

ラダーバックチェア

Dscn1775 幅460mm 奥行370mm 高さ850mm(座面高450mm)



塗装 クルミもしくはアマニ油
 
材種 栗



座面 真田紐(中には削った木屑を詰めて。)
    



 
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伝統的なグリーンウッドワークの椅子、ラダーバック(Ladder-Back)の名は「はしごのような背もたれ」の意。
この型はアメリカの第一人者ドリュー・ランズナー(Drew Langsner)さんから教わったカタチです。



座面は、綿の平紐で編んであります。
本場では25mm幅のシェーカーテープというものを使うのですが、和風に真田紐で編んでみました。
数種類ある紐の色と編み方で、いろいろ変えられます。



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たとえば、この青と白の縞模様の紐ですが、左がアジロ編み、右が四つ目編みです。同じ紐ですが、ずいぶん雰囲気が違ってきます。



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このラダーバックチェアは、昔から生活の中で使われ洗練されていった椅子です。
座りゴコチは柔らかく、勉強や仕事、食事やイップクにと幅広く使えます。
いっけん浅く見えますが、座ってみると最小限にして充分な奥行きだと実感できます。



とてもシンプルですが、木の持つ特性を十二分に引き出した強い構造。
 
たとえば、ホゾ組み。
Dscn1788 サイドの丸ホゾの下をわずかに欠き取るように穴をあけています。
後から差し込んだホゾがストッパーとなり抜けなくなるという仕組み。



写真で直交する貫が少し重なっているのがお分かりいただけますでしょうか?



 



 



つまり、
Photo まず両サイドを組み立てます。そして次に穴をあけるとき、チョッとだけ重なるように。



これで最初の棒は抜けなくなります。
簡単な原理ですが効果は大きいです。



←穴あけ時の様子





 



さらに、完成し時間の経過と共に徐々に木が乾燥し収縮で穴が締め付けるようになっています。これでまた抜け難くなります。生木ならではの面白い木の性質です。



こうした色々な工夫で各部の接合はシッカリしています。
ですが、全体的には柔軟な構造です。



みなさんが椅子を置く床は平らとは限りません。野外はもちろんですが、室内でも多少凸凹しています。そんな場所でガッチリとした椅子を使うと、、、カタカタ・コトコトが気になる時もあります。
でもこの柔らかい椅子は、座った人の体重でしなり4つの足がピタッと地面につきます。
これだけで、かなり安定感がちがいます。
  





Dscn1785_2 それから、全ての部材を丸太から割って削りだしています。
一見効率悪い作業ですが、そうすることで節や曲りの無い、木の繊維が通った部材になります。細くても充分な強度です。
永く使ってもらうには大切な工程です。



←約5ミリの薄い背板は、良い感じにしなって背中の当たりも木とは思えないほどソフトです。



 



結果として、かなり軽いです。試しに体重計で量ってみたら、2kgでした!
材種が栗ということもあるのですが、「超軽量」で有名な椅子が1.7kgだそうなので、なかなか良い数字ではないかと思います。
これなら、お子さんや非力な女性でも気軽く持ち運んでいただけます。



まだまだ書きたいことはありますが、能書きはとりあえずこのくらいにして、、、^^;



毎日の生活に、ちょっとホッとするグリーンウッドワークの木の椅子、いかがでしょうか?



*製作に1ヶ月ほどかかります。納期・価格はお問い合わせください。
e-mail ki-ki@crocus.ocn.ne.jp



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